屋上海月 〜オクジョウクラゲ〜




灰谷は普段
あまりこういう事は聞かない


初かもしれない質問に
どう答えようか、しばらく考えた




「 ―― 女に見えた 」


「 …それは、妹とか…
子供に見えなくなったって意味?
やりたくなった? 」


「 両方 」


「 …正直だね 」


灰谷が喉を上げて、軽く笑う




厳密に言うなら
倉庫での出会いがあり


――― 二人で作った食パン


夏の日差し
新聞紙で作った兜


そんな小さな出来事全てが
あずるを好きになった理由




ただはっきり
自分の気持ちを自覚したのは


点滅する信号

あの 月の夜 ―――




「 どうしていきなり、そんな話した? 」


「 ユカがね、キスしてたんだ 」