屋上海月 〜オクジョウクラゲ〜





「 おはよう〜 灰谷君、青山君!! 」


「 … おはよう 梅川さん 」


「 おはようございまーす! 」


「 先生、お待たせしてすみません 」


「 いや、たった今 着たばかり…
―― そうだ青山君!怪我人がいるって 」


「 …プラス、熱出してる人が一人 」


「 はは〜ん、真木ちゃんか 」


「 …よくわかったね
あ。ウワサしてたら電話来たし 」


「 あの子は意外と、体弱いから
無理し過ぎってのが一番だけど

あ、上に荷物取りに行ってもいい?
お医者さんセットを置いたままなんだ 」


「 俺もベースを置きに行きます 」


「 お、どっか預けてたのか 」


「 はい
一度、台風の日にライヴやって
それからマイクが少し―― 」


ジーンズのポケットを探って
屋上の鍵を取り出し

ガラス扉、入口のロックを外す




「 うん!
今先生と会ったよ
途中も、何もなかった
クウヤは平気?おふとん潜ってる? 」


「 青山くん、エレベーター来たよ 」


「 ――― あ、梅川さん、俺が先に 」




肩に 何か当たった