灰谷の視線の先
マンションのベランダ
家族全員分といった
大量に干された洗濯物と一緒に
白い、天体望遠鏡が光っている
「 … 星、見えるのかな
いつの間にかコンビニ出来てるし 」
「 月なら、行けそうだけどな 」
今も空に 白い姿
「 … ノゾキだったりして 」
「 すぐにお前はそういう… 」
「 はは
… あ、コンビニ寄っていい? 」
「 梅川さん、今どの辺りだ? 」
「 … まだ
なんか腹減って
丼飯店で飯食ってるって
俺、ジュース買って来る
二人は? 」
「 水を 」
「 了解 」
買った物をあずるに渡して
灰谷は再び店内の
書籍コーナーへ戻る
俺はベースを置き 煙草を取り出して
暖かい、外のベンチに腰を降ろした


