廊下
エレベーター前
待ち時間の間、あずると灰谷は
携帯を向けあって、ゲーム開始
「 ―― ちょっとクウヤン最近
エンジンかかりっぱなしだったからね
ブレーキしてくれて、助かったよ 」
「 だってクウヤ
もう私のマネージャーさんじゃないよ
うちの、ギタリストだよ 」
「 うん、そうなんだよね〜…
――― 早くクウヤンも
それに慣れてくれればいいんだけど… 」
「 それに私
誰の腰巾着でもないもん
リュウジのコバンザメなだけだもん 」
「 調べたのか 」
「 さっき、ケータイで見た 」
「 … あんまり変わらないじゃん 」
「 変わりますー 」
「 … 変わらない 」
言葉は止まって
携帯からの攻撃音が、激しくなった


