しばし、無言

そして唐突に、彼等の会話が始まる




「 …つかさ〜
"CheaーRuu"なんか
たいしたことないよな〜

初期はまあ、いいとしてもさ
最近は、売れ線狙いミエミエだろ 」


「 だよな!
ギターの緑川が
プロデュースしてるとか言うバンドも
俺、一応聞いてみたけどさぁ
たいしたことない感じだったし
つか灰谷も青山も
顔だけで売れてるとこあんだろ 」


「 クラスの女とかよ〜
スゲーうるせーしな 」


「 音楽聞けよな、マジで 」




瞬間

あずるの空気が一気に変わる

頭の天辺を、急いで片手で抑えた




「 や… 」


「 座れ 」


「 う…
ならなんで、コピーしてたの…っ 」




首を竦め、体の向きを戻し
水を一口




高校生時代

そして
他のアーティスト達が映る
電光掲示板を無視して歩いた
あの梅雨の時期


言葉には出さないまでも
自分自身にも確かにあった
覚えのある、強い感情


今思い出すと、かなり気恥ずかしい




「 チャーシュー麺二!!
餃子三!!あがったぞ! 」