空腹組の
真木と灰谷は、カウンター

あずる、池上と俺は
壁際、テレビの横のテーブル席に向かう


「 おはようございます!おじさん!
ご一緒させてもらっていいですか? 」


「 お、おはよう!いいよいいよ〜 」


「 ありがとー! 」


「 俺、汚れてて悪いな 」


「 ―― ?
仕事したら、汚れるの当たり前だよ 」


「 わはは
なかなか落ちなくてな〜
首周りとか、袖とか
いい洗剤ないもんかねえ 」


「 あれは駄目ですか?
最近CMでやってる、色柄物の漂泊剤 」


「 ん?
なんだお兄さん、詳しそうだな!
クリーニング屋か何かか? 」


「 俺も以前
材木屋で働いてましたから 」


「 おお!!どこら辺の? 」


「 横濱です 」


「 ああ、じゃあ埠頭近くか?
あそこらでっかいのあるもんな
俺は道路、すぐそこの道を造ってるよ 」



作業衣を着た、中年の男性
レバニラ炒めとビールで
仕事帰りの一杯を、楽しんでいると話す




「 カイヘーとリュウジは、何にする? 」


「 僕はチャーシュー麺と、餃子 」


「 俺も同じで 」


「 わかった!

――― 大将!
チャーシュー麺二つと餃子三つね!! 」


あずるは、振り返り
厨房に向かって注文


しかしおやじさんは、下を向いたままで
そのまま忙しく、体を動かしたままだ


「 平気!
これで、わかってるから 」