屋上海月 〜オクジョウクラゲ〜





――― しかし、始まったのは


「 青山!!ボウズ!!
まずオマエら、ここに座れ!!
これから二人とも説教だ!!! 」


「 真木?」


「 座ってるよー クウヤー 」


「 座ってるよじゃねえ!!
―― まっ…たくオメエらは〜!

いい加減 頃合い見て
連絡して来るだろうと思ってたのに
電話の一本もナシか!!

特にボウズ!!
長いオフに入った途端
『キリン見てくる』って言ったきり
ナシのつぶてってのはどういう事だ?! 」


「 ごめんなさぃー… 」


「 野外前後は、クウヤンも僕も
東京にいなかったりで忙しかったし
それにメールで連絡貰ってたじゃないか 」


「 ―― 顔見せてナンボだろコイツは… 」


「 まままま!!
お二方もまず、一杯どうぞ!!

王子の放浪癖はさぁ、昔からなんだよ

そういやヒッチハイクして
北海道まで行った事あるとか随分前に…

――― あれ、空哉さん風邪気味? 」


急に咳込んだ真木の背中を
池上が摩った


「 というか
二人とも、こないだぶりだね〜
いつもごひいきに、ありがとう! 」


「 あ、ありがとう〜! 」




マサヤさんからの助け船
突然起こった嵐から救出される


「 … 真木さん
ジャック・スパロウみたいじゃん 」


「 あ? 自前だぜ? 」


「 … 有り得ない 」




灰谷に答え、ふて腐れた様に席へ着き
グラスワインを持って、片眉を上げる真木


「 カイヘー
頭、さむくないの? 」


「 … 貸そうか?これ 」




池上は、早速灰谷から
銀髪のウィッグを受け取ると、頭に被り
あずると灰谷はそれを見て
ケラケラと笑った