写真部に入った私は、今日も下校時刻を
守らずに先生に怒られてる真っ最中。


だってしょうがないじゃん。



写真に夢中になっちゃうの。





部活が終わったあとも、少しだけ、少し
だけって学校に残って写真を撮ってる。




それで結果、先生に見つかって、案の定
怒られるっていう。



それで今も怒られてるんだ。
あーあ。今日の夜ご飯何かな…。



「これで何回目だと…聞いてるんですか
っ!」


「は、はいぃ!」



私だってもう高校2年生。
遅くたって帰れるもん。




やっと先生の長ーいお話が終わって、私
も開放された。



「はあ…」




疲れちゃったよ。もう。




長い長い帰り道。



カメラを片手に、家を目指す。




「あ、」






ここの道、しっかり見てみると綺麗だな
あ。




今までお花探すために下ばっか見てた
から、気づかなかった。



道の端っこに立って、カメラを構える。




パシャッ。




あ、横を通り掛かった人が映っちゃっ
た。


「…まあいっ、か」




「良くねえよ」



「へ?」



「勝手に撮ってんじゃねえよ」





顔を上げるとさっき横を通った人がこっ
ちを見て睨んでいた。




「ご、ごめんなさ、わっ!」




頭を勢いよく下げたと同時に、
持っていたカメラを落としてしま…う前
でさっき怒っていた男の人がキャッチし
てくれた。





「あ、ありがとうございます!」



「…おう」