eternal〜守りし者〜

『師匠の教えで無ければ意味が無いのです。』


『……ん!?』


『以前、権蔵が申しておりました。"愛を持って我が子を育てる…それが唯一俺に勝る佐護路の最大の技だ"と…。右に出る者はおらんと。』


『……………………。』


『なんだ…佐護路も照れる事があるのか?』


『殿、年寄りを揶揄うもんでは御座いませんぞッ!』



そう言って逃げるように佐護路は早々に休憩を終え、特訓を再開した。



『……師匠も歳ですね。』


『あぁ、昔は佐護路を揶揄うなんぞ想像も出来んかったが…佐護路が歳を取ったのか…はたまた俺らが大人になったのか…。時は止まらん。ずっと流れて行く。だが、目を閉じればいつだって戻れる…見たい顔にも会える。俺は、これからも生きる事を諦めない。この世に生きる、全ての者に諦めて欲しくは無い。それが願いだ。』


日の光りと春風が肌を優しく包んでいた。


『…そうですね。その想い…紡いで行きましょう。親から子へ、子から孫へと…。大季にもようやく兄弟が出来るようです。』


『…何ッ?』


目を見開く将季に空我は笑顔で頷いた。
将季は思わず大季を抱き上げた。


『なんだお前ぇ!兄になるのかぁ!嬉しいかぁ?大季ぃ!』


笑う将季と大季を見て空我も笑った。




鈴と呼遙が眠る桜木は今年も満開の花を咲かせ春風にそっと揺れていた。



"生きる"


それは時として困難に思う出来事や、争いによって阻まれる事もある。

それでも、諦めないその先に見える幸福や絆をも生み出す。





"愛"



それは、いろんな形を持つ。




"絆"



いかに強くとも目には見えぬモノ。




"想い"




伝える事もある、伝わる事もある。





鈴がこの世に残した全ての"愛""絆""想い"を受け継ぐ者達がそれをまた親から子へ…子から子へ…と繋いで行く…。




平和の世にも決して無くしてはいけないモノがあるのだという事を誰もが忘れてはならない。それは、ずっと遙昔から受け継がれたこの世の宝そのものなのだ。









ーーー完ーーー