違う。

本当はなにもないただの手なのに、星があるようにみえた。


わたしはその星を大事に両手で受け取った。


「ありがとう」


サクは意外とロマンチストだ。

でもそれはわたしを元気づける優しさだということも知ってる。



「美咲が立ち止まったら、何かにぶつかってどうしようもなくなったら、泣きたくなったら俺に頼れ。自由な世界なんて俺がいくらでも連れてってあげるから」


そういって笑ったサクの笑顔をわたしは一生忘れることがないだろう。