また、傷が増えた。

あの傷は、サクの悲しみの象徴なのかもしれない。

あの傷はサクが孤独だった証なのだから。



孤独だと感じているなら、この家にくればいいのに。

そうしたらたかしももちろんわたしもいる。

いつだって歓迎するのに。


サクは、人に頼るってこと嫌いだったよね。

というか、多分できなかったんだよね。


サクが孤独に溺れてしまう前に出会ってれば、そんな悲しい子供になんて絶対にしなかったのに。


深い深い底にいるサクを助け出すのは思っているよりもずっと難しかった。