すべてがスローモーションのよう。 父さんが母さんに向かっていくその足取りが。 ねえ、お願い。 わらって。幸せになって。 「サク!!」 たかしの声が聞こえた。 なあ、たかし。 俺、間違ってないよな? 母さんを守ったこと。 あずさを助けられなかったときの悲しみを、もう一度味わいたくなかった。 ただみんなに幸せになって、ほしかった一一一