夕璃の幼稚園時代のママ友の誘い。

みんな子供を親に預けていた。

光子には夕璃を預ける親はいない。

自分の母は亡くなっていたし徹の実家とは疎遠だったから。
 


徹の両親は再婚同士で、徹は父親、朗は母親の連れ子だった。

徹は滅多に実家には帰らない。

気楽な反面、気軽に夕璃を預けるようなこともできなかった。
 


それなら無理して出かけることはなかったのに。

幼い夕璃を一人にして。

徹への反発。

優しくて大切にされていたけれど。



ずっと求められない焦燥感。


徹に気付かれて叱られたかったのかもしれない。
 


夕璃は泣き言も言わずに我慢してくれた。

光子が帰ると喜んで、見ていたテレビの話しをしてくれた。

光子の感覚は徐々に麻痺していく。