明るく笑いながら家に戻った3人。

広い玄関から一緒にホールに上がる。

一人で帰るとこの広いホールが寂しかったのに。

両親と一緒なら誇らしく思える広さ。

楽しい気持ちのまま、夕璃は心を解放していた。
 

「ナルシス、ただいま。」

ホールの正面に飾られた大きな油絵。

青い瞳の少年の横顔。

栗色の髪は少し風になびいている。

夕璃は立ち止まって少年に言う。