こんなに明るい夕璃を見たのは、何年振りだろう。

ずっと笑ってはしゃいでいた夕璃。

ブティックで洋服を手に取って。

次々と試着しては徹と光子に見せる。
 

「ユーリ、可愛い。すごく似合うよ。」

高価な洋服を欲しがるままに買い与える。

一番気に入った服に着替えた夕璃は、喜びで跳ねるように歩く。
 

「次はママの買い物よ。パパ、ティファニー行こう。」

夕璃に合せて、明るく言う光子。
 

「ユーリも。ユーリにも買って。」

と徹の手をとる夕璃。
 

「仕方ないなあ。今日だけだよ。」

徹が言うと、夕璃はぴょんと跳ねて徹と腕を組む。


こんなに可愛い夕璃に寂しい思いをさせて。

なんて酷い親だったのだろう。

夕璃の頭をポンポンと撫でながら、徹の胸は熱い思いが溢れていた。