「ねえ、ユーリ。カラオケ行かない。」

美里に誘われて、
 
「ごめん。今日はママがいる日なんだ。」

夕璃は母の在宅を迷惑そうに言う。
 

「そっか。ユーリのママ、最近、仕事減らしたの?」

夕璃の寂しさを誰よりも知っている友達は、付き合いが悪くなった夕璃を責めない。
 

「そうなの。私の帰りがいつも遅いこと、ばれたの。ヤバいと思ったみたいよ。」

夕璃が答えると、
 

「でも良かったね。少しは子供のこと、考えたっていうことだよ。」

奈緒は優しく言う。
 

「今更だけどね。普通、もっと早く気付くでしょう。散々、私を一人にしておいて。」

夕璃は腹立たしそうに言う。

本当は嬉しかったけれど。