夜、出歩く光子を懸念して 徹がお店を手伝わせたとき、

夕璃は4年生になったばかりだった。
 

その頃の徹は夕璃よりも光子が心配だったから。

徹が与えられないものを仕事のやりがいで代用した。


光子が離れていくことが怖かったから。

夕璃を犠牲にして光子を守った。
 


責任感が強くて堅実な光子は、上手に商売をこなした。

店に出れば“美人ママ”と評判になった。


地位の高いお客さんに上質なサービスを提供して、順調に売り上げを伸ばしていった。
 

徹も光子も仕事に逃げていただけ。

二人とも壊れることを恐れて、ぶつからなかった。


それは解決じゃないのに。夕璃を犠牲にしているのに。