10年振りに抱いた光子は驚くほど新鮮で徹を夢中にした。

ずっと放っておかれた体は堅く清潔で。

初めて光子を抱いた日を思い出させた。
 


「ごめん。今まで放っておいて。」

この体を仕上げたのは自分なのに。

すべて自分に合うように。

満たされるに決まっている。
 


「ちょっと恥ずかしかった。」

40才前の体は甘く熟して、すぐに徹に馴染む。
 


「今まで、馬鹿みたいだった。仕事ばかり夢中になって。これからは、少しずつ任せるようにするから。3人の時間を作るから。」

光子を抱いたまま、徹が言う。
 

「私も、お店に出る日を減らすね。少しずつユーリとの時間を増やすから。」

甘い微睡みに落ちる前に、光子も言う。
 

「ありがとう。」

徹もいつしか眠っていた。