眠りについた夕璃は、あどけなくて。

徹はそっと夕璃に頬を寄せてから部屋を出た。

胸を占める反省の思い。


たった一人の宝物に、こんなに寂しい思いをさせていたなんて。
 


『やめよう、もう。これからは夕璃を第一に生活しよう。』


徹の心のドアが開いた瞬間。

多分10年振りくらいに。


夕璃以上に大切なものはない。


夕璃を幸せにできないならば、仕事に何の価値もない。

決意を秘めた目で、寝室の扉を開けた。