夕璃が嫌だと言うまで、十分に抱いてあげなかったから。

甘えたい気持ちを満たしきれなかったから。

だから今夜、夕璃は子供のように徹を求めた。

幸せだった頃と同じようにそばにいることを望んでいる。
 


『ユーリ、ごめんね。』

どうして気付かなかったのだろう。

夕璃の寂しさを放置してしまったのだろう。

『ユーリはいつも良い子に笑っていてくれたよね。』

夕璃の髪を撫でていると、溢れる感情に涙が滲む。