久しぶりに夕璃の部屋に入った徹は、珍しそうに中を見回す。

予想に反して綺麗に整頓された部屋。

徹は夕璃をベッドに下ろす。
 


「パパ。私が眠るまで、ここにいて。」

夕璃の襟元にそっと布団をかける徹。

夕璃はその手を握って言う。
 


「いいよ。目を閉じてごらん。」

夕璃の枕元に跪いて、そっと夕璃の髪を撫でる。

素直に目を閉じた夕璃の顔を見つめながら。


目を閉じた夕璃は幼くて、小さな頃のままで。

可愛くて、愛おしくて。


この子のわがままは全て叶えたいと思っていた頃のまま。


いつから自分は夕璃と触れ合わなくなってしまったのだろう。