「別の仕事で家族を養えるとしたら、どうする?」

徹の言葉に、
 
「仕事にもよりますが。」

と疑う目で言う。
 


「俺の家の家事をしてほしい。給料はここと同じだけ支払うから。」

真っ直ぐ徹を見る光子。

徹の真意を探るように。
 


「条件が一つある。住み込みだよ。」

徹も強い目で光子を見て言う。
 
「それ、パトロンってことですか。」

徹はフッと笑ってしまう。

光子はパトロンの意味をわかっているのか。
 


「何も強要しないよ。スポンサーだと思えばいい。」

徹の言葉に、少し下を向いて考えていた光子。

顔を上げ、真っ直ぐ徹を見て
 



「わかりました。よろしくお願いします。」

と言った。

潔く。徹が惚れ惚れするほど。