貧しさの中でも、清らかな精神を失わなかった光子。

整った顔立ちは研ぎ澄まされた美しさで。

ダイヤの原石のような、滲みだす輝き。
 


「どうして、こういう仕事をしようと思ったの?」

徹に面接で聞かれた光子は、
 
「お金が欲しいんです。来年、妹を大学に行かせたいから。それに母の体が弱くて。十分な治療をさせてあげたいんです。」

吸い込まれそうな深い瞳を、真っ直ぐ徹に向けて答える。
 

「家族の為に?おしゃれしたいとか、贅沢したいとは思わないの?」

徹の質問に光子は首を振り、
 

「自分のことは、まだ先で。今は家族の為に働かないといけないので。」

と答えた。

光子を輝かせたい。誰かに取られる前に。

自分の手で磨きたい。