「パパ。昔みたいに、ベッドまで抱いて行って。」

徹の胸から顔を上げた夕璃は、徹に言ってみる。



照れた目で夕璃を見た後、徹は夕璃を抱き上げる。
 
「お姫様だね。ユーリ、まだ軽いよ。」

夕璃は徹の首に腕を回す。

夕璃を軽々、抱き上げた徹は、静かに階段を昇っていく。

徹の胸に顔を寄せていると、心が小さな頃に戻っていく。

徹が大好きな、幸せだったころに。



徹は何も変わってない。

夕璃が変わっただけだから。