夕璃が、寂しいと思い始めたのは、いつからだろう。

少なくても、小学校に入学するまでは、一度も寂しいと思ったことはない。

毎日、光子は夕璃のそばにいてくれた。

出かける時も、必ず夕璃を連れて行った。
 

「ユーリ、ママが帰って来るまで、お留守番をお願いね。」

夕璃が学校から帰るのを待って光子は出かけるようになった。

一年生の二学期頃から。

最初は、ほんの30分位。徐々に外出は長くなる。

気付くと夕璃は、一人で夕食を食べるようになっていた。