「ただいま!」
「あーあんた遅ない?もう夜やで?」
「新しい友達できたんよ!日和ちゃんって子!」
「へぇ、ほんま?良かったねぇ、大切にしときな」
「うん!」
トントントン、とキャベツを切る音が聞こえる。
もうすぐ夕飯で、匂いからトンカツかな、と予想する。
「今日もしかしてトンカツだったり!」
「するで、正解!」
「やった、楽しみや!!」
ジュウ、と豚肉を揚げる音がする。
その音だけでもうヨダレが出てくる。
トンカツの脂身が甘くて大好きだから、いつも脂の乗った部位を選んできてくれる母さんには感謝しかない。
* - - - - - - - - *
「できたで!」
「おっ!」
揚げたてでアツアツのトンカツが出てきた。
美味そう……。
きつね色のトンカツの匂いをソースが引き立たせている。
「……いただきまぁっす!!」
噛む事にじゅわぁと溢れる肉汁。
これはまさに星3つ……。
* - - - - - - - - *
無事完食、とても有意義な時間だった……。
「母さん……ほんまに天才やで……」
「は?そんなん知っとるわ、はよ風呂入り」
「ウス」
皿を台所まで運び、風呂に入る。
芯の芯まで温まった。
布団に入るとすぐ眠くなった。
きっとこれはトンカツのおかげに違いない。
明日、日和ちゃんに教えてあげよう。
