その人と出会ったのは、()だるような夏の日のこと。

畦道で出会ったのはまるで向日葵のような子で。


真っ白なワンピースと肌に映える、黒い長髪。

その姿に、僕は目が離せなくなって。

それに気づいた彼女は、僕に声をかけてくれたんだ。


「こんにちは、……えーっと、私に何か用?」

「っあ、ごめんなさい、綺麗やなぁって思って!」


焦って、勢いでそう返してしまう。

気持ち悪い、って思われてないかな、大丈夫かな。


ちらりと彼女の方を見るときょとんとした顔でこちらを見ていた。


「……ふふ」

「……え、」

「はは、そんなこと言われたの初めて、ありがとう」


良かった、どうやら気持ち悪いとは思われていないみたい。


「ねえ、私たち、友達にならない?」

「ええの?」

「ふふ、なにが?わたしは日和(ひより)!
えーっと、」

「お、俺!朝陽(あさひ)って言うんよ!」

「そう、じゃあ朝陽くんだ!」

「う、うん!よろしく!」


ぱぁっとした笑顔が、僕にはとても綺麗に見えた。


「そうだ!あっちにね、川があるんだ!
魚とかもいるし、一緒に遊びに行かない?」

「うん、行く!」

「じゃあ、決まりだ!こっち!」


見た目とは裏腹に活発みたいで、学年1足が早い僕と同じくらいのスピードで走っていた。


「日和ちゃん、足早すぎひん?!」

「ふふ、足が速いのが取り柄だから!ほら、おいてくよ!」

「ちょ、待ってぇや!」