「は...はい...!ありがとうございます...!」
名前呼ばれちゃった...と飛び跳ねたくなる気持ちをグッとこらえて、なんとか平静を装う。実際装えてたのかは謎だけど。
「そ...それでは...!」
これ以上この先生とこんな至近距離にいたら死んでしまいそうで、名残惜しくもその場を離れようと回れ右をした。
のだけど。
「明日からは自分で辿り着けよ、ばーか。」
「.........!?」
ば...ばか...!?ばかって言った...!?
驚いて勢いよく振り向いたけれど、先生はもう私に背を向けて歩き始めていて。
私は先生の姿が見えなくなるまでの数秒間、その場から動けなかった。

