からふる。~第11話~

横断歩道を渡りきり、2人の元に駆け寄った。



「青波先輩、お怪我は?」


「大丈夫」


「あの...あなたは...あなたは凪砂の...カノジョ...ですか?」



震える声で話しながら私を見つめてくる女性。


私は大きく首を振って



「いえ、私は男子寮で働いている朱鷺田紗彩て申します。あくまで従業員ですので青波凪砂さんとは何の関係もございません。年齢上先輩と後輩になるので青波先輩とお呼びしておりますが、それだけなので本当にご心配なさならないで下さい」



ときっぱり否定した。


青波先輩は傷付くだろうけど、私には分かっていた。


この女性は、青波先輩と過去に関係を持った人だと。



「翡翠、今まで悪かった。だけど君とはもう付き合えない」


「なんでそんなこと言うの?私はあんなので凪砂への想いが揺らぐことはない!ずっと凪砂の側にいて凪砂と痛みも悲しみも喜びも全部分け合いたい。だから...」


「俺は帰る。紗彩、行こ」



強引に左腕を捕まれ、早歩きで逃げる。


あのままにしていいの?


あの女性泣いていたのに...。


一体2人に何があったのだろう。


考えても考えても疑問は深まるばかりだった。