からふる。~第11話~

「いらっしゃいませ。...って、凪砂じゃん!久しぶり?えっ、その子もしや...」


「海くん久しぶり。この子は朱鷺田紗彩ちゃん。俺のカノジョって言いたいところなんだけど、まだ交渉中」


「ご紹介に預かりました凰倫館学園男子寮の従業員の朱鷺田紗彩です」


「今日は凪砂の付き添いありがとう。凪砂の女性史上1番清純派じゃん。ま、それはいいから今年もどんな風にしたいか教えて」



青波先輩はおおよそのイメージをしてきたらしく、それを紙に書きながら説明していた。


書道を習っていたのか字はキレイだし、絵も私より何倍も上手くて立体感があった。


女なのに、しかももとお嬢様だというのに絵も字もあまり上手くない才能なしの私はどうしたらいいのだろう?


今朝黒羽くんに誉められたばかりだけど、自信喪失かも...。


私が別のことを考えている間に説明は終わり、海さんは電卓を打ち始めた。



「えっと、これだと6号サイズは3500円になるよ。去年よりシンプルみたいだな」


「俺も17だからシンプルイズベストだと思ったんだよ」


「そっか。ま、再現出来るように頑張るよ」


「おじさんによろしく」


「うん、じゃあまた明日。17時に男子寮に持ってくからな、楽しみに待ってろよ」



私がぺこりとお辞儀をすると、海さんは爽やかな笑顔を向けてくれた。


青波先輩の言う通り、いい人そうだな。


温かい気持ちになってケーキ屋さんを後にした。