からふる。~第9話~

「もういいです。私、仕事しますのでどけて下さい」


「仕事ねえ。1人で大変ですねえ」



い、イヤミ。


本当に最低だ。


最低最悪な悪魔だ。


毎日黒づくめだし、もう本当に悪魔でいいや。



「悪魔くんには関係ない」


「は?お前今なんて言った?」


「悪魔くんには関係ないって言いました!」


「悪魔?ふざけんなよ、お前!オレは黒羽玲央だ!悪魔なんて呼ぶんじゃねえ」



至近距離での罵倒。


唾が飛んで不衛生だ。



「私は朱鷺田紗彩です。お前なんて呼ばないで下さい。それでは失礼します」



私は彼の腕を全力で払い、ダッシュで階段を駆け上がった。



「おいっ!待て!」



まだ悪魔の声が聞こえるが、ゴールは見えていた。



「しゅうくん!しゅうくんいる?」



ドアを2回叩くと中からジャージ姿のしゅうくんが出てきた。


しかし、私は頭が混乱して、体が震えて言葉が出なかった。



「さーやちゃん大丈夫?」



しゅうくんが私を抱いて右手で頭を撫でてくれる。



「大丈夫、さーやちゃん。大丈夫だよ」


「あのね...あの......」


「おいっ!さあや!!」



悪魔だ。


なんでここまで追ってくるの?


お願い。


関わらないで。



「玲央...今度は何した?」


「何もしてねえよ。さあやが勝手に泣いたんだ」


「呼び捨てはやめろ。さーやちゃんはお前のものじゃない」


「じゃあ誰のもんだ?紫雄のもんでもねえだろ?お前こそイチャイチャしやがって目障りなんだよ」


「目障りなら見なきゃいい。なのになんで関わってくるんだ?迷惑なのはこっちだ。お前のことは澪先輩に話す。さーやちゃんと部屋も離してもらう。それか...」



紫雄くんが私を抱く力を強める。


私は顔を埋めた。



「黒羽玲央。お前にはここから出ていってもらう」