「(...この缶コーヒーが最後。これでもう彼が私に残してくれたものは何もないから。)」 これ以上自分が惨めになるのも、誰かを妬むのも、全部全部疲れてしまった。 だから、嬉しかったメールのスクショも、電話の履歴も、連絡先も、全部全部消した。彼が私にくれたもの、残してくれるものなんてこの想いへの決別の足枷になるだけだから。 幸いだったのは、彼が今まで私の手元に残る物をプレゼントしてくれたことがなかったことだ。 これで...心置き無く、この電話を最後に彼の前から綺麗さっぱり姿を消せる。