桃の華〜溺愛イケメン社長〜

「俺も華ちゃんの足触った事がないのに」

そう言った桃田さんはしゃがみ込んで、私の足を持ち上げて靴を脱がせる。

そして、足の甲にキスをした。

「桃田さん、駄目です！汚いです！」

「汚くないよ、この足も華ちゃんの全部俺のものにしたいくらいだよ」

私はまるで、おとぎ話に出てくるお姫様になった気分だよ。

高級ホテルの雰囲気と、桃田さんに買ってもらった服と靴。
そして、桃田さんの甘さに別世界に入り込んだようだ。

「俺、華ちゃんにはすごく独占欲が強いみたい。覚悟してね？」

「はいっ！桃田さんも覚悟してくださいねっ！」

沢山の友達に囲まれている桃田さんを見て、私もヤキモチを焼いてしまっていた。

私の知らない桃田さんを知っている友達たちが羨ましい思った。

「可愛いすぎる。やっぱり帰ろう！早く2人っきりになりたい」

「え、でも同窓会はいいんですか？」

「同窓会はまた来年もあるからね。それより門限まで時間が足りない」


門限までまだ2時間以上あるけど、私も桃田さんと2人っきりになりたい。

ホテルを出て桃田さんの車に乗り込んだ。

そして、そのまま車を走らせて公園へと連れて来てくれた。

車のフロントガラスから、レインボーブリッジが見える。

「華ちゃん、芸能界に興味あるの？」

そう言えば、カヤノさんって人からスカウトされたの忘れていた。

「私なんかが芸能人になんてなれないですよ」

興味があるとか以前の問題だと思う。
私が唯一実際にあった事がある、アヤミンさんはすごく綺麗な人だったし。

「華ちゃんはすごく可愛いよ。華ちゃんなら、すぐに人気者になると思う」

桃田さんに可愛いって言われてすごく嬉しい。

それに、芸能人になれば桃田さんと釣り合う女性になれるかもしれないけど。

「私、他に夢があるんです」

今まで桃田さんに話した事がなかったけど、桃田さんと出会ってからできた夢なんだ。

「夢？」

「はい。私、管理栄養士になりたいんです」

いつか桃田さんが倒れた時に思ったんだ。

桃田さんの支えになれるようになりたいと。