「大丈夫ですか?」

桃田さんの痛いと言う声が聞こえて振り返ったけど…。

「か、可愛い」

痛いって言ったのは嘘だったの?
桃田さんはニコニコと私を見ている。

「桃田さん、痛いって…」

「ごめんね、華ちゃんの水着姿が見たくて嘘ついちゃった」

「じゃ、大丈夫なんですね」

良かった。
桃田さんに何も無くて良かった。

「うん。そんなに心配してくれるとは思わなかったよ。嘘ついてほんとにごめんね。でもこうでもしないと、華ちゃんの可愛い水着姿見せてくれないでしょ」

そうだ、私、水着だったんだ、

恥ずかしくて腕で胸とお腹を隠す。
すると、桃田さんによってその腕を離される。

「プライベートビーチにしてよかったよ。こんな可愛い華ちゃんを他の男たちに見せられないからね」

自信のなかったスタイルも桃田さんが可愛いって言ってくれるから、少しは自信がもてる。

「海入ろう」

そう言って手を伸ばしてきてくれた桃田さんの手を掴んだ。
そして、2人で海に入りしばらく楽しく過ごした。

お腹が減った私たちは別荘に戻り、昼食を食べることにした。

キッチンに立ち桃田さんは何か作ろうとしてくれてる。

「桃田さん、料理できるんですか?」

「少しくらいはね」

そう言っているけど、手際の良さを見ていると少しだとは思えないよ。

「私も手伝います」

「じゃ、フルーツを洗って切ってくれる?」

「はい」

桃田さんの作ってくれたサンドイッチと私が切ったフルーツを持って、テラスで海を見ながら昼食を食べる。

誰もいないし周りを気にせず、桃田さんと2人だけの甘い空間。

桃田さんの作ってくれたサンドイッチは美味しすぎる。

「華ちゃん、あーんして」

さくらんぼを手に持ち、私に食べさせようとしてくれる桃田さん。

こんな素敵な場所にいるせいか、いつもなら恥ずかしいのに口を開けさくらんぼをパクリと食べた。

桃田さんはいつも甘いけど、デートってなるとさらに甘くなる。

「華ちゃんと2人っきりって、ほんと癒されるよ」

いつも仕事で忙しい桃田さんが、少しでも癒されてくれるのはすごく嬉しいよ。