桃の華〜溺愛イケメン社長〜

桃田さんは昨夜ニューヨークから帰ってきて、待ちに待った週末がやって来た。
今日は桃田さんとデートだ!

私は朝からセリナに選んでもらった花柄のワンピースを着て、動画を見て勉強したメイクを頑張った。

そして、家の近くまで迎えに来てくれた桃田さんから連絡が入り、家をでた。

桃田さんは私に気づくと、運転席から降りてきた。
約10日ぶりの桃田さんだ。

「久しぶり、華ちゃん」

会えただけで胸が高鳴って、嬉しくて、こんな気持ちは今まで味わったことがない。

「可愛いね、そのワンピース」

「桃田さんも、素敵です」

今まで桃田さんのスーツ姿しか見たことがなかったけど、今日は私服だ。

ダメージジーンズに白のTシャツに黒のジャケット姿の桃田さんはまるでモデルさんみたい。

「ありがとう。華ちゃんにそう言ってもらえて嬉しいよ」

「私の方が嬉しいです」

会ってまだ数分なのに、もう桃田さんにズキュンズキュンとハートを撃ち抜かれている気分だ。

車に乗り込むと桃田さんは水色の小さな紙袋を出してきた。

「お土産、気に入ってくれるといいけど」

「ありがとうございますっ!開けてもいいですか?」

「いいよ」

早速、紙袋の中を開けると、小さな箱が出てきた。
その箱を取り出し開けてみると、キラリと光るものが入っていた。

ハートが2つ付いていて、ハートとハートの間にはダイヤがついている。

「か、可愛い」

箱から取り出し自分の手に取り、もらったばかりのネックレスを見つめる。

2つのハートが私と桃田さんのようで、その2つが寄り添っているように見える。

「貸してごらん。つけてあげるよ」
そう言って、桃田さんは私の首にネックレスをつけてくれた。

それから車は発車したけど、私はサイドミラー越しにずっとネックレスを見ていた。

「そんなに気に入った?」

「はいっ!とても」

桃田さんからの初めてのプレゼントだもん。
一生、大事にしよう。