そんな私たちにとって思い出のお店を誕生日に連れて来てもらえるなんて嬉しい。

今日も、さり気なく私のことを考えてデートプランを考えてくれていて、桃田さんに大切にされてるんだって実感する。

「はいっ!桃田さん、ありがとうございます」

「制服デートはしてあげられないけど、華ちゃんが喜んでくれて良かったよ」

私は制服デートに憧れてた。
だけど、それは桃田さんの制服姿が見たかったからだ。

「今日はまだこれで終わりじゃないからね」

まだ何か用意してくれてるの?

私を喜ばそうとたくさん用意してくれて、本当に幸せな一日だよ。

レストランで食事を済ませると、またタクシーに乗り桃田さんの家へとやって来た。

今日は桃田さんの家に泊まることになっていて、お揃いのルームウェアを着られると思うとすごく楽しみだ。

だけど、部屋に入るなり緊張してきた。

誕生日の日には覚悟してって言われていたし、ついに今夜…。

桃田さんに抱かれるんだ。

「華ちゃん」

「は、はいっ」

名前を呼ばれただけなのに声が裏返ってしまう。

「お風呂入る?それとも、俺にする?」

「えっ!?」

そうだよね。
もう、そうだよね。

覚悟してたのに、胸がうるさいほど高鳴るよ。

「冗談だよ。華ちゃんが緊張しすぎであまりにも可愛いからからかっちゃった。華ちゃん、横おいで」

そう言われて、桃田さんの横に座ると、肩を抱かれて腕に包まれる。

「心の準備ができてなかったらしないから心配しないで」

優しい桃田さんはそう言うけど、そうじゃない。

「…準備、できてます」

これじゃまるで抱いてくださいって言っているみたいで恥ずかしいよ。

だけど、桃田さんともっと深く繋がりたい。