「……そうだね……さっき先生から連絡があったんだけどさ……昇格試験、合格だって。今、合格証書とか先生が預かってくれてるから、また取りに行かないと……」

お茶を飲んだ利希は、空を見上げながらそう言う。

「だろうね。利希、魔法の神様だし……」

れいは、葵の作ったおにぎりを口に放り込んで苦笑した。



あれから数週間。私と庚は、庭に咲く桜の下に立って桜を見上げていた。

「……ほのか」

庚に名前を呼ばれて、庚に目を移す。

「……僕、ほのかに出会えて幸せなんだ……」

庚は、そう言って幸せそうに笑った。そして、真剣そうな、緊張したような顔で私を見る。

「ねぇ……僕と結婚してくれないかな?」

庚は、そう言って私を抱き締める。

「……そんなの、返事は……はい、しかないよ……」

私がそう言うと、庚は私から離れて、私を見つめた。

「ほのかを幸せにしてみせるよ……」

そう言って、庚は私にキスを落とした。

私、ライヤ様に……いや、庚に伝えたいことがあるんだ。

今からでも遅くは無いよね?

「庚……愛してる」