そう言って、お父様は微笑む。

「ほのか……俺、ほのかを人間界に行かせた後、サナミに怒られた。口下手にも程があります!とな……俺は、元からお前をライヤ様以外の神様と結婚させるつもりは無かった。だからな、ほのかを人間界に行かせて……少しでも、結婚する日を遅くしようとした……しかし、本当にライヤ様を連れて帰ってくるとはな……」

「……僕は、ライヤではありませんよ。凪斗様。僕は、鳴神 庚……ただの神様であり魔法使いです」

「……そうか。全部、サナミから話は聞いている。お前らに、これを渡しておこうか」

「……これって……」

「付けると、姿が人間に見えるようになる髪飾りだ」

利希と閃に髪飾りを渡したお父様は、庚に近づくと庚に髪飾りを渡して頭を撫でる。

「……」

庚は恥ずかしそうに顔を赤くしながら目を細めて、お父様から視線を逸らした。その姿が可愛くて、私は思わず笑ってしまう。

そして、お父様は庚から離れると「ほのか、残りの学校生活……楽しめよ」と言って、姿を消した。

空を見上げてみると、見たことの無いほど綺麗な星空が広がってる。

「へぇ……神界って、こんなに綺麗に星が見えるんだね」