「……庚……」

庚は私と目を合わせると、優しく微笑む。その笑顔に、私の胸は高鳴った。

「……君は……何でこんな所にいるの?転生して、人間になったはずなのに……答えてよ。ライヤ!」

ルトは、庚を睨む。庚は「……確かに、ライヤさんは人間に転生したよ」とルトを見つめた。

「……そして、別人として生きて、神様になった……それだけの話だよ……それと、僕はライヤなんかじゃない。鳴神 庚。ただの神様であり魔法使いさ」

「……庚、速いよ……」

暗闇から、れいが姿を現す。それを見た庚は「ごめん」と謝った。

「……僕は、絶対にルトを許さない。君は……僕の大切な仲間を傷つけた……それなりの覚悟は出来てるんだよな?」

庚は、ルトを見つめる。庚の周りに、稲妻が走った。

「雷神様のお怒りだ……」

利希は、庚を見つめながら呟く。ライヤ様が……いや、庚が怒ってるの初めて見た……。

「……僕も負けてられないなぁ。閃、利希、れい、庚……そして、ほのか。最終決戦と行こうか!」

ルトがそう言うと、ルトの周りに黒い光が渦巻いた。

「あはは!何十年ぶりに本気を出すのかな……?」

その黒い光は、刀に姿を変える。

「……皆、下がってて」