「……分かっています。無理強いはしません。あなた方が決めたら良いのです……ですが、閃と利希……あなた方は、神様の姿が見えています。その時点で、普通の人間ではない……ということを覚えておいてください。1つは、葵様に渡しますね」

お母様は、葵に果物を渡した。それを受け取った葵は、その果物を食べる。次の瞬間、葵の体は光出して、その光はすぐに収まった。

それを見たれいは、嬉しそうに笑う。

「……僕の邪魔をしないでくれるかな」

私たちの目の前に、ルトが現れた。ルトは少し嫌そうな顔で私たちを見る。

「ルト……これ以上、あなたの好きにはさせません!」

お母様は、そう言ってルトを見つめた。ルトは、私を見ると笑う。

次の瞬間、私たちの体は地面に崩れ落ちた。これは、束縛魔法……?

「え……?」

ルトは、私に近づくと呪文を唱える。次の瞬間、景色が変わった。……移動魔法か……。

どこかの暗くて小さな部屋に、私は横になってる。

「……」

体を起こすと、ルトはニコニコと笑って私を見る。

「……ルト……私をどうするつもり?」

「……皆を誘き寄せるための餌にする。それだけだよ」

「誘き寄せる必要、無いんじゃない?」

「そんなこと無いさ。ここなら、思う存分暴れられる……魔法がかかってるから、物を破壊する心配が無い」