「……私はある日森へ遊びに行って、迷子になってしまいました。その時に、髪飾りを付けた凪斗……ほのかのお父さんに出会ったんです。私が神様になった後、凪斗が神様だったことを知って、私と凪斗はルトを封印した後、一緒に神界で暮らすことになったんです」

「……そうだったんですね。でも、僕はなぜか神界に入ることが出来た人間がいて、何らかの力で神様になった神様がいるって話を聞いたことが……」

れいの言葉に、葵も「私もそう聞いたことがあります」と頷く。

「……私に神様になれるっていう果物をくれた人が、れいのお父さんだってことを知って、話をしていたのですが……『またルトが復活するかもしれない。だから、れいと葵ちゃんに使うか分からないけど……ヒントとして、こう伝えておいた』……と、れいが言ったのと同じことを言っていました」

お母様は、そう言って微笑んだ。

「……話を戻しますが、閃に利希……あなた方は、神様になる素質があります。神様になりますか?」

お母様は、着物の懐から2つの果物を取り出す。それを、利希と閃に向かって差し出した。

「……急に、そんなことを言われても……」

閃は、戸惑った顔でお母様を見つめる。