「私と葵が呼ばれるのは分かるけど、何で閃と利希も……?」

「……それは、私から説明します」

空から声がしたから空を見上げると、お母様がふわふわと空を飛んでいる。

「お母様!」

お母様は、地面に着地すると「お久しぶりですね」と微笑んだ。

「……お母様、教えてください。普通の人間は、神界には入れないはずですが……」

「……そうですね。詳しく話すよりも、見ていただいた方が早いかもしれません。れい様……私の記憶を、皆さんに見せることって出来ますか?」

お母様は、れいを見つめて首を傾げる。れいは「はい」と頷いた。

「……ただ魔法のコントロールが自分の記憶を見せる時よりも難しくはなりますが……ほのか、葵、閃、利希……サナミ様の記憶を見る?」

れいの問いかけに、私たちは同時に頷く。

「……分かった」

れいが頷いた瞬間、私の目の前は真っ暗になった。



気が付くと、私は小さな古い家の前で立ってた。辺りを見渡すと、葵、利希、閃も立っている。でも、3人の体は半透明だ。

『ここは……?』

私と同じように辺りを見渡した利希は、首を傾げた。

『多分、お母様の記憶の中だと思う……』

「行ってきまーす!」

古い家の中から、赤い着物を着た女の子が飛び出す。