夏休みが明けて数日が経ったけど、まだ庚は目を覚まさない。庚は、今用事で学校を休んでることになってるよ。

「……ほのか」

私がカバンに教科書を片付けていると、葵に話しかけられた。

「どうしたの?」

「……れいが呼んでる。行こう……閃、利希!こっち来て!」

近くにいた閃と利希に声をかけた葵は、歩き出す。私たちは、葵の後を追いかけた。葵が来たのは、屋上だった。

「……何か分かったのですか?れい……」

葵が声をかけると、れいが姿を現す。葵の言葉に、れいは微笑んで頷いた。

「……人間が神様になったって言われてる神様を見つけたんだけど……」

「見つけるの早いね……」

私が呟くと、れいは「近くにいたんだ……」と返す。

「……その神様は、ほのかがよく知る神様だったんだ。誰だと思う?」

「え……?」

れいの問いかけに、私は驚いた。驚いたのは、私だけじゃないみたいで、葵も驚いた顔をしてる。

「……その神様はね、サナミ様……つまり、ほのかのお母さんだったんだ……」

「え!?お母様!?」

私が声を出すと、れいはゆっくりと頷いた。

「僕が話を聞こうとした時、サナミ様は『ほのか、葵様、そして閃と利希を連れてきてください』って言われて……」