「……分かりました。出来れば、夏休みが終わるまでには、神様に会いたいです」

「……いや、僕が話を聞いてくる。それを、葵たちに伝えるよ。とりあえず、葵たちには、庚を守ってほしいんだ。次のルトの標的は……庚だ」

「……そうですね……れい、頼めますか?」

葵の言葉に、れいは「任せてといて」と微笑むと姿を消す。

「葵……どういうこと?」

利希と閃は、葵を見つめた。葵は、利希たちに分かりやすく簡単に説明をする。

「……なるほどな……つまり、レイストは本名じゃなくて、れいが本名なんだ。じゃあ、何で名前が変わったの……?」

利希の問いかけに、葵は「それは、ルトに聞かないと分からないです」と答えた。

「……これは、一生解決しなさそうだな」

庚を抱えたまま、利希は苦笑する。

「庚を守るって……どうやって……?どこに庚を寝かせるのが正解なんだろ……」

……そっか。寮だと守れる人は利希しかいないし、夏休みが終わったら、授業に出なきゃいけないし……。

「……そうだ。言い忘れてた……庚には、防御魔法をかけておいたから大丈夫だとは思うよ」

私たちの目の前に着地しながら、れいは言った。

「防御魔法……?」