ルトは、そう言って葵の家を出ていく。私たちは、急いでルトの後を追いかけた。

多分、もう5分くらいは走ってると思う。その時、庚と利希と閃が話しているのを見つけた。それと同時に、ルトは加速する。

……まさか……。

「庚……っ!」

私が名前を呼ぶと、庚だけじゃなくて利希や閃はこっちを向いた。

庚はルトの姿を見て驚いた顔を見せるけど、動かない。ルトは、そのまま庚に取り憑こうとするけど、ルトは庚の体をすり抜けた。

「……あれ?……あぁ、そう言うこと……じゃあ、眠っててね」

ルトが呟いた瞬間、庚の体が崩れ落ちる。それを、咄嗟に利希が受け止めた。

「……庚!」

利希は庚に声をかけるけど、庚は眠ったままで反応しない。

「あはは……じゃあね!」

そう言って、ルトは姿を消す。ルトが姿を消したことで、周りは静かになった。

「……利希、動かないで」

れいは利希に近づくと、庚に手をかざす。しばらくしてから、れいは庚から離れた。

「……お前、レイスト……か?」

利希は、れいを見つめながら驚いた顔を見せる。れいは、何かを考え込んだ後、頷いた。

「……話は後……葵!僕は、神界へ情報を集めに行ってくる。説明は、頼んでいい?」