「神様の力は、神様にしか使えませんから……しかし、私と庚は人間であり神様である状態です。髪飾りを付けていなくても、周りに私と庚の姿が見えていますから」

「……完全に神様になるには、どうしたらいいの?」

私の問いかけに、れいは「……昔、完全な人間だった神様がいるっていう話を聞いたことあるな」と何かを思い出したように言った。

「……その人は、なぜか神様でもないのに神界に入ることが出来たんだっけ」

「そっか……神様以外、神界に入れないもんね」

「……でも、その人がどうやって神様になったのか分からない」

れいは、首を横に振る。葵も「神様に戻る方法までは分かりません」と首を横に振った。

「……そっか。まずは、その神様に会う必要が……」

私が呟くと、れいは「でも、どうやって探し出すの……?」と首を傾げる。

「……」

私が黙ると、葵は「神界で情報を集めるしか……」と呟いた。

「……それしか無いのか。じゃあ、情報は僕が集めようか?」

「……れい、大丈夫なんですか?」

葵の言葉に、れいは頷く。その時、れいは頭を押さえてしゃがみ込んだ。

「れい……?」

「……っ」

次の瞬間、れいから黒い光が飛び出す。それと同時に、れいは床に倒れ込んだ。