「……神様の力を持って生まれ変わるライヤ様……?」

私が首を傾げると、葵は「はい」と頷く。

「転生の神様は『これから先、生まれ変わったライヤ様は、今回の騒ぎを起こした黒幕に狙われるでしょう。もしものために、私は神様の力を消さずにあなたとライヤ様を転生させます。ライヤ様の記憶が戻るまで、あなたが守ってほしいのです』とも言っていました」

「……転生の神様は、あの騒ぎの真相を知ってて転生させたの?」

「……転生をさせなきゃいけない状況だったんだ。ほのかは知らないと思うけど、ライヤ様と葵は今回の騒ぎで逃げてきた神様、助けられた神様の目の前で転生させられたから……」

私の言葉に、れいが答えた。

「……知っていたんですね」

「うん。見てたから……ライヤ様と葵が転生したあと、転生の神様が姿を消したあと、神様たちは『上手くいったな!』って笑ってた……そこから、僕の記憶はない。多分、その時に悪堕ちしたんだと思う」

……そっか。れいは、邪気に取り憑かれて悪堕ちしたことで悪神になったんだ……。

「……れいには、辛い思いをさせてしまいました……しかし、もう大丈夫です!転生しても、私はずっと神様です」

葵は、れいに向かって微笑む。

「え……?」