れいが問いかけても、ライヤ様は俯くだけで何も答えなかった。

「……もしかして、恋人を守るため……ですか?」

葵の言葉に、ライヤ様はゆっくりと顔を上げて葵を見つめる。

「……そう言えば、あなたは?」

「……私は、れいの幼なじみの葵と言います」

「そっか……僕は、ライヤって言います」

ライヤ様はそう言って微笑むけど、どこか悲しそうだった。

「……ライヤ様、葵が言ったことは本当なの?」

れいの問いかけに、ライヤ様は頷いた。そして、ライヤ様は口を開く。

「……僕が否定したら、ほのかまで巻き込んじゃう……本当は、僕が騒ぎを起こしたわけじゃないんだけど……それでも、僕は罰を受けるよ」

真剣そうなライヤ様の顔を見た葵は「れい……」とれいの方を向いた。

「……魔法で姿を隠しなさい」

「え……?わ、分かった……」

葵の言葉に、れいは戸惑いながら半透明になる。多分、これはれいの記憶。だから、私にはれいが半透明に見えてるんだ……。

「……ごめんなさい」

葵は謝り、片手をライヤ様に向けて結界を破壊した。葵がライヤ様のいる部屋に入ると、部屋に入ってきた見張りをしていた神様が葵を取り囲む。

「……実は、私……彼の手助けをしていました」