「……今回の騒ぎ、知っていますか？」

「はい。神様が次々に姿を消す……っていう騒ぎ……ですよね？」

葵の言葉に、お母様はゆっくりと頷く。

「……その件で、私の娘の恋人……ライヤ様が捕らわれてしまったのです」

「ライヤ様が……嘘でしょ！？」

お母様の言葉に、れいは驚いた様子を見せた。葵は「ライヤ様……？」と首を傾げる。

「……知り合いなのですか？」

お母様の言葉に、れいは「はい」と頷いた。

……れいとライヤ様、知り合いだったんだ。知らなかった……。

「サナミ様！今、ライヤ様はどこにいますか！？」

「……今は使われなくなった古い屋敷にいます」

れいは「分かりました。ライヤ様に、会いに行ってきます」と屋敷を飛び出す。

「れい！」

れいの名前を呼び、葵はお母様に礼をするとれいの後を追いかけた。お母様は、心配そうな顔で走っていく2人を見つめる。

次の瞬間、景色は変わった。どこかの屋敷の中にいるみたい。多分、お母様が言ってた古い屋敷……かな？

「……れい……？何で……」

古い屋敷の小さな部屋で、ライヤ様は寝転がりながら部屋の外にいるれいを見る。部屋には、結界が張ってあるから、入れないのか……。

「サナミ様から、ライヤ様がここにいるって聞いたから来たんだ。ライヤ様、何で……？」