「……レイストは知っているでしょう?」

「うん」

「……実は、レイストは悪神ではありません」

葵の言葉に、私は驚く。じゃ……じゃあ、レイストは何で……。

「レイストは……もともとは魔法の神様なんです」

「……あんたの言う通りだよ」

そう言って、レイストが姿が現した。今日のレイストの目は綺麗な紫色。

「レ、レイストっ!?」

「……ごめんね、葵。邪気を抑えてみてはいるんだけど……長い時間持ちそうにないや」

「……ゆっくりで良いのですよ。あの……1つだけ聞いていいですか?……入学式の日に勝手に魔法が発動したのも、利希が消えた時に助けてくれたのも、庚を助けてくれたのも……レイストではなく、れい……あなたですよね?」

レイストは、その言葉に何も言わなくなる。ちょっと待って……訳が分からない……どういうこと?

「……そうだよ。一日に数分だけ意識が戻ってくるんだ……最近は、平均で1時間くらい意識が戻ってくるかな……その間に、邪気を抑える方法を調べたり、ほのかの手助けをしてたよ」

そう言って、レイストは微笑んで私を見た。

「……初めまして。僕は、れい。魔法の神様で、葵の幼なじみなんだ」